最近、テレビの天気予報でも花粉と同じような扱いで「黄砂(こうさ)」が取り上げられるようになりました。でも、黄砂ってそもそも何なのでしょう? 黄色い砂という漢字通り、なんとなく黄色ぽく、砂という字のごとく砂のように目に入ると痛いですよね。今回は黄砂について深掘りしたいと思います。

黄砂とは?
環境省によると、黄砂とは「中国大陸のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原など、乾燥・半乾燥地域で、風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊あるいは降下する現象」とのことです。簡単にいうと、黄土地帯(タクラマカン砂漠やゴビ砂漠)で発生した砂じん(砂やちり)が、強風で日本まで飛んできたものです。黄砂のうち粒径の小さなものは微小粒子状物質(PM2.5)に含まれるため、黄砂が飛来すると PM2.5 濃度も上昇するそうです。
怖いことに、黄砂の小さな粒子(粒径が数マイクロメートル以下)は上空の風にのって、遠くの北米やグリーンランドまで運ばれたことが報告されています。
黄砂のカラダへの影響は?
黄砂に含まれる様々な物質の影響で、喉の調子が悪くなったり、目のかゆみ、鼻水・鼻づまりや咳が出たり、ときに寒気や発熱を起こすこともあるそうです。黄砂は眼、鼻、皮膚などのアレルギー症状と関連があり、気管支ぜんそくや肺炎など呼吸器疾患の悪化をあげています。詳細は「黄砂とその健康影響について」として環境省ホームページで紹介されており、いまだ解明されていない点も多いとありますが、現段階では下記の通りです。
健康影響の種類
アレルギー症状
●目のかゆみ、結膜炎、鼻水やくしゃみなどを引き起こす。
●黄砂の濃度が高い日ほど、アレルギー症状を発症する方が多くなる。
●皮膚症状を示す方は、金属アレルギーの傾向がある。
●スギ花粉の飛散と黄砂の飛来の時期が重なるため、スギ花粉症の方は注意が必要。
呼吸器疾患
●気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者については、症状悪化に伴う入院・受診数の増加との関連が報告されている。
●成人喘息患者の下気道症状を悪化させる。
●成人の非喘息患者においても黄砂の濃度が高いほど咳が出る。
●肺炎での入院増加との関連もみられる。
循環器疾患
●黄砂飛来と救急搬送数増加、脳梗塞での入院や、心筋梗塞での入院、発症増加との関連が報告されている。
●植込み型除細動器を入れた患者について、不整脈との関連が報告されている。
●高齢者や糖尿病、慢性腎臓病等の既往歴がある方は、循環器疾患への影響のリスクが高いことが報告されている。
予防するには?
黄砂の飛来度をチェック
日本に飛来するまでに黄砂の濃度は低くなり、日本では自動車や洗濯物の汚れに対する注意喚起にとどまることがほとんどだそうですが、日頃から最新ニュースをチェックし、黄砂の飛来予測を把握し、黄砂の多い日には不必要な外出を減らすことが大切です。
<日本気象協会の黄砂情報>は
→コチラ(https://tenki.jp/yellow-sand/)
不要不急の外出は控える
●呼吸器系への負担が長く続くような運動は控える。
●外出時はマスクをつける。
●窓の開閉や換気は必要最小限にし、空気清浄機を用いる。
●帰宅後は手洗い、うがいをする。
黄砂はただ目に入ると痛い砂ではなく、様々なカラダへの影響がある怖い砂でした。自分の努力で防げることもありますので、日々、黄砂情報をチェックして気をつけたいと思いました。みなさまもどうかお身体に気をつけてください。