今日は「甘草(かんぞう)」という生薬についてのお話です。
「最近、足がつるから 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を飲もう!」と思ったことはありませんか?または、風邪をひいたから葛根湯を飲んで…気づいたら、甘草入りの漢方をいくつも飲んでいた!なんてことは?
実は、甘草を取りすぎると体に良くない影響が出ることがあるんです。

漢方薬の飲み過ぎはダメ
甘草の取りすぎで起こる「偽アルドステロン症」って?
甘草を過剰に摂取すると、「偽アルドステロン症(ぎアルドステロンしょう)」という状態になることがあります。
これは、体の塩分バランスが崩れ、カリウムが減少(低カリウム血症)することで、水分バランスが崩れることが原因です。
「足がつるから」と芍薬甘草湯 を何度も飲んでいると、逆に足がつりやすくなることも…!

「偽アルドステロン症」と「アルドステロン症」の違いって?
どちらも体の塩分バランスを乱す病気ですが、原因が違います。
つまり、偽アルドステロン症は甘草の影響をなくせば改善するのがポイントです!

漢方薬の飲みすぎに注意!安全に使うには?
漢方薬は「自然のものだから安全」と思われがちですが、取りすぎると逆効果になることも。
自己判断で「漢方だから大丈夫!」と飲み続けるのは心配です。体調に合わせた正しい飲み方を専門家に相談することをおすすめします!
特に芍薬甘草湯は甘草の含有量が多いので、足がつるからと頻繁に飲むと偽アルドステロン症のリスクが高まります。
漢方は「適量」が大事!
漢方薬は正しく使えば素晴らしいものですが、 飲みすぎは禁物。甘草(カンゾウ)1g中に約20~40mgのグリチルリチン酸が含まれています。厚生労働省の指針では、医薬品におけるグリチルリチン酸の1日最大摂取量は200mgとされています。
「体にいいから」とたくさん飲むのではなく、必要な量を守って上手に活用しましょう!健康のために、「飲みすぎ注意」を心がけてくださいね。
