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風邪薬+足つり対策…漢方の飲みすぎ、大丈夫?

今日は「甘草(かんぞう)」という生薬についてのお話です。

「最近、足がつるから 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を飲もう!」と思ったことはありませんか?または、風邪をひいたから葛根湯を飲んで…気づいたら、甘草入りの漢方をいくつも飲んでいた!なんてことは?

実は、甘草を取りすぎると体に良くない影響が出ることがあるんです。

漢方薬の飲み過ぎはダメ

甘草の取りすぎで起こる「偽アルドステロン症」って?

甘草を過剰に摂取すると、「偽アルドステロン症(ぎアルドステロンしょう)」という状態になることがあります。

これは、体の塩分バランスが崩れ、カリウムが減少(低カリウム血症)することで、水分バランスが崩れることが原因です。

こんな症状が出ます
  • むくみ(足や顔がパンパンに)
  • 血圧が上がる(頭痛や動悸がすることも)
  • 筋肉がつりやすくなる(まさに、足がつる!)
  • だるさ・疲れやすさ(なんだか体が重い…)
  • のどが渇く・水をたくさん飲む(多飲)

「足がつるから」と芍薬甘草湯何度も飲んでいると、逆に足がつりやすくなることも…!

「偽アルドステロン症」と「アルドステロン症」の違いって?

どちらも体の塩分バランスを乱す病気ですが、原因が違います。

  • アルドステロン症体(副腎)がアルドステロンというホルモンを作りすぎてしまう病気
  • 偽アルドステロン症甘草を取りすぎることでアルドステロンのような作用が起こる状態

つまり、偽アルドステロン症は甘草の影響をなくせば改善するのがポイントです!

漢方薬の飲みすぎに注意!安全に使うには?

漢方薬は「自然のものだから安全」と思われがちですが、取りすぎると逆効果になることも。

甘草(カンゾウ)の取りすぎに気をつけるポイント
  • 複数の漢方薬を飲むときは、甘草の量をチェック
  • むくみ・高血圧・のどの渇き・筋肉のけいれんが出たら要注意
  • 長期間の連用は避け、医師・薬剤師に相談する「足がつるから」と芍薬甘草湯を毎日飲んでいる

自己判断で「漢方だから大丈夫!」と飲み続けるのは心配です。体調に合わせた正しい飲み方を専門家に相談することをおすすめします!

特に芍薬甘草湯は甘草の含有量が多いので、足がつるからと頻繁に飲むと偽アルドステロン症のリスクが高まります。

漢方は「適量」が大事!

漢方薬は正しく使えば素晴らしいものですが、 飲みすぎは禁物。甘草(カンゾウ)1g中に約20~40mgのグリチルリチン酸が含まれています。厚生労働省の指針では、医薬品におけるグリチルリチン酸の1日最大摂取量は200mgとされています。

甘草(カンゾウ)の摂取基準
  • 甘草の生薬量1日6g以下 が目安
  • グリチルリチン酸1日200mg以下(厚生労働省の基準)
代表的な漢方薬のグリチルリチン酸量の目安(1日量)
  • 葛根湯(かっこんとう) → 甘草は約1.5g (グリチルリチン酸として約30~60mg)
  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう) → 甘草は約2.0g (グリチルリチン酸として約40~80mg)
  • 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) → 甘草は約6.0g ( グリチルリチン酸として約120~240mg)※単独で超えることも


「体にいいから」とたくさん飲むのではなく、必要な量を守って上手に活用しましょう!健康のために、「飲みすぎ注意」を心がけてくださいね。