私たちの体には、毎日ウィルスや細菌から守ってくれる「免疫システム」が働いています。この免疫システムには、すぐに反応して体を守る「自然免疫」と、過去に出会った敵を覚えておく「獲得免疫」の2種類があります。今回は、免疫システムの第一防衛線で働いてくれている「自然免疫」についてお伝えします。

ウィルスや菌が侵入!免疫システムの第一防衛線が始動
想像してみてください。体の中はまるで平和な街。でもある日、外から突然、ウィルスや細菌といった「侵入者」がやってきます。この侵入者たちは、体の中に入ってきて悪さをしようとしています。そこで登場するのが、免疫システムの最初の防衛線「自然免疫」です。その中でも重要な役割を担っているのが白血球たちです。
好中球が最初に駆けつける
侵入者が体に入ってきたら、最初に動き出すのが「好中球」です。好中球は、血液の中をパトロールしていて、細菌やウィルスが体内に侵入すると真っ先に現場に駆けつけます。好中球はまさに免疫システムの「レスキュー隊」。彼らはなんと「貪食細胞(どんしょくさいぼう)」と呼ばれていて、敵を文字通り「パクパク」食べることで退治します。侵入者を見つけたら、素早く近づいて、そのまま飲み込み、分解してしまうのです。ちょっと怖いけど頼もしいですね。
単球とマクロファージの出番
好中球だけでは手が足りないとき、次にやってくるのが「単球」です。単球は血液中を流れていて、現場に着くと「マクロファージ」に変身します。マクロファージは、免疫システムの大きな掃除屋さん。彼女たちは、細菌やウィルスをパクパク食べて、しっかり消化してしまうだけでなく、体に「ここが戦場だよ!」と知らせる信号も出してくれます。
マクロファージは、好中球よりも持久力があり、長時間にわたって体を守ることができるんです。いわば、免疫システムの「大掃除担当」です。敵が大きくても、小さくても、マクロファージはしっかり食べて体をきれいに保ってくれるんです。
怪しい動きを見逃さない NK細胞
ここで特別な戦士「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」の登場です。NK細胞は、細菌やウィルスだけでなく、体内で異常を起こした細胞、特にがん細胞やウィルスに感染した細胞を見逃しません。体の中で「怪しい動き」をしている細胞を見つけると、即座に攻撃してくれます。
NK細胞は、まるで体内のパトロール隊のように、隠れた敵を素早く発見し、確実にやっつける特殊部隊です。ウィルスに感染した細胞やがん細胞を直接攻撃し、私たちの健康を守ってくれる頼もしい存在です。NK細胞がしっかり働いているおかげで、体の平和が保たれているんです。

白血球たちのチームプレイ
免疫システムの中には、好中球やマクロファージ、NK細胞の他にも、体を守るために働く「顆粒球」という戦士たちがいます。彼らはアレルギー反応などに関与しながらも、細菌や寄生虫を攻撃して撃退する役割を担っています。
顆粒球たちは、特殊な酵素を放出して敵をやっつける「化学戦」を得意とするチームです。白血球たちみんなのチームプレイで、体はしっかりと守られているのです。

免疫システムさん「ありがとう」
体の中で、毎日見えないところで働いているのが、これらの白血球たちのチームです。彼らは、私たちが気づかないうちに、毎日敵をパクパク食べて、体を守ってくれています。
風邪や感染症にかかっても、こうした免疫の防衛軍が常に働いてくれるおかげで、回復が早くなることが多いのです。日常のちょっとした傷や風邪でも、体が「敵が来たぞ!」とすぐに対応してくれるのは、白血球たちのおかげです。彼らは見えないヒーローです。彼らのチームプレイに感謝し、免疫をサポートするためにバランスの取れた食事や十分な休息を心がけたいですね。

白血球や赤血球、血小板の基本が楽しく学べるのはやっぱり「はたらく細胞」です。鍼灸師の専門学校へ通っている時に大変お世話になりました。擬人化していておもしろいので、勉強感なく、自然に体のしくみを学べます。