私たちの体には、食べ物からエネルギーをつくり出す「工場」があります。その主役は「ATP(アデノシン三リン酸)」です。ATPは、体中にエネルギーを届ける役割をしていて、運動したり考えたり、心臓を動かすのもこのATPのおかげなんです。最近、さとう式リンパケア創始者の佐藤先生がよくATPについてお話しされていますので、今回はATPについてお伝えします。

解糖系:まずは2つのATPをつくる
エネルギーをつくるプロセスは3つのステップにわかれています。まずは「解糖系」です。これは、細胞の中にある「細胞質(ミトコンドリアの外)」で行われます。グルコース(ブドウ糖)が分解され、2つのATPがつくられますが、この過程で「ピルビン酸」という物質も生まれます。解糖系は酸素を使わずにパッと動けるんですが、つくられるATPの量は少ないので、これだけでは全然足りません。
クエン酸回路:ミトコンドリアで次の準備
次に登場するのが「クエン酸回路(TCAサイクル)」です。これは細胞内の「ミトコンドリア」で行われます。ここでピルビン酸がさらに分解され、エネルギーを引き出すための準備が進みます。酸素を使いながら、次のステップに進むためのエネルギーの材料がつくられていくんです。クエン酸回路(TCAサイクル)でも2つのATPがつくられます。
電子伝達系:一気に34ATPをつくり出す
そして最後の仕上げが「電子伝達系」です。これもミトコンドリア内で行われ、ここで酸素を使って一気に大量のATPがつくられます。なんと34個ものATPがドカーンと生まれるんです。副産物として水や二酸化炭素ができるんですが、これも自然のサイクルに欠かせないものです。
まとめ
解糖系では2つしかつくれないATPも、クエン酸回路と電子伝達系のおかげで、効率よく大量にエネルギーを生み出しています。これがなければ、全力疾走どころか、日常生活もままならないほどです。こうやって、体の中の小さな「工場」で毎日エネルギーがつくられていると思うと、なんだかワクワクしてきませんか?体ってすごいです!
