先日、職場でミーティング中に頭がガンガン、ズキズキし、やや吐き気を伴ったため、近くの薬局へ行ってみると、かるい熱中症とのこと。冷やして、水分や塩分の補給してゆっくり休んでくださいといわれました。塩分タブレットと経口補水液をすすめられ、冷房強めのオフィスへ移動しこともあり、大事にはいたりませんでしたが、室内にいてもこんなに急激に具合が悪くなってしまうのだと体感し、今後はもっと水分補給、塩分摂取を心がけようと思いました。そこで思い出したのが、鍼灸学校で教えていただいた応急処置と経口補水液のつくり方です。薬局では、大塚製薬工場の経口補水液 オーエスワン(OS-1)を購入できますが、自宅に買い置きがないときなど、自宅にある材料で簡単につくれますので覚えておくと安心です。自分でつくればコストも抑えられますし、こだわりの原料でつくれます。
自分でできる熱中症対策
手のひらを冷やす
手のひらを冷やすと、深部体温を下げることができます。深部体温が40度を超えると、体は動けなくなります。これまで熱中症に対する処置は、大きな血管が通る首やわきの下、足のつけ根を冷やすほうが効率的といわれてきましたが、実は、手のひらや足の裏、ほほを冷やすほうが効果的ということがわかりました。熱中症の予防対策としては手のひらを冷やすことがおすすめです。もちろん、熱中症が疑われる症状が出ている場合には、手のひらだけでなく、首・わきの下、足のつけ根を含めた全身をすみやかに冷やすことが重要です。
なぜ、手のひらなの?
体温を下げる方法を研究されてきた米国スタンフォード大学のクレイグ・ヘラー教授により、解明されたのが、手のひらを冷やすことです。手のひらには、「体温低下機能」があり、動脈と静脈を結ぶバイパスのような血管、AVA(動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう))があります。AVAは体温が高くなってくると開通(通常は開通していません)し、一度に大量の血液を通します。すると、熱が放出され、冷えた血液が体に戻っていくというシステムです。血管は冷えると収縮し、あたたまると拡張するという特長がありますから、それを利用して体を冷やすことができます。AVAは手のひら、足の裏、ほほに多いので、まずはこの3つを冷やすことを優先しましょう。
手のひらを冷やすときの注意点
冷たすぎるとAVAが閉じてしまいますので、洗面器などに水をはり、無理なく手をつけていられる程度の冷たい水(10~15度)に5~10分、手のひらを浸しておくことが推奨されています。でも、出先では洗面器に水をはって冷やすというのはなかなか難しいですよね。おすすめは冷やしたペットボトルを握る、食事中に出される冷たい飲み物が入ったコップを握るなどです。意識したいのは、保冷剤や氷など10度を下回る冷たすぎるものではなく、15度程度のものを使うことです。ちなみに私がかるい熱中症になったときは湯飲みに入った氷入りの麦茶を握りしめて体温を下げるようとつとめました。
脱水に効く・経口補水液を飲む
経口補水液は自分でもつくれます。鍼灸学校で教わったもの、厚生労働省で紹介されているものなど、微妙に入れる量が違いますが2つ紹介いたします。ご自分がお好きなほうをお試しいただければと思います。私は半量でつくり、飲んでいます。お風呂あがりなどに飲むのもおすすめですが、あまりにたくさん飲んでしまうとカロリー取り過ぎになってしまいますので注意してくださいね。
鍼灸学校で習った「経口補水液」のつくり方
- 水 1リットル
- 塩 小さじ1/2
- 砂糖 大さじ4〜5
- レモン汁(入れても入れなくてもOK)でも、入れないと味がまずいです。レモン汁がない場合、食用クエン酸、オレンジジュースでも代用できます。
厚生労働省「経口補水液」のつくり方
- 水 1リットル
- 塩 3g
- 砂糖 20〜40g
※どちらも混ぜるだけです。レモン汁は入れたほうが断然おいしくなります。市販の経口補水液と同じくらいおいしいです。入れないとまずくて飲めないというのが正直な感想です。
涼しいところでゆっくりする
環境省の「熱中症予防情報サイト」によると、運動に関する指針は24~28℃で注意が必要で「熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。」と明記されています。24~28℃でも熱中症になる可能性があるため、こまめな水分補給、積極的な休憩、塩分の補給もしっかり行い、暑さを感じたら涼しいところでゆっくりするようにしましょう。湿度が高い日はとくに注意が必要ですから、体調に少しでも異変を感じたら、すぐに風通しの良い日陰やクーラーが効いている室内に避難してください。自分で水分の摂取ができないくらい具合が悪いと感じたときはすぐに病院へ行ってください。熱中症は死亡リスクのある命にかかわる病気です。早めに応急処置をするように心がけることが大切です。
▼いざという時のために、準備しておきたいオーエスワンドリンク