先日、友人に「最近、不眠なんだけど。何か良いツボない?」と聞かれました。不眠には一言では片付けられないいろいろな原因があります。東洋医学的に見ると、心や肝に関係していたり、自律神経(交感神経・副交感神経)が関係していたりとアプローチ方法は様々です。それでも、効果的なツボがありますので、今回は自分でも押せる不眠に効くおすすめのツボをご紹介します。

不眠によく効くツボ
体のツボ【4つ】
神門(しんもん)、内関(ないかん)、百会(ひゃくえ)は寧心安神(ねいしんあんじん)といって、心を穏やかにして精神的安定させる作用があります。完骨(かんこつ)は耳の近くにある自律神経を整えるツボです。強く押さずに、気持ち良い程度に押すのがポイントです。
神門(しんもん)【手の少陰心経】
- 心経の原穴(げんけつ)…心の病に用いるツボです。心経の気が巡り、ここにとどまります。心経にとって重要なツボになります。
- 効果…不眠、物忘れ、イライラ、精神状態を安定、睡眠障害の改善など。
- ツボの場所(取穴)…手のひら側。小指側の腱の内側(尺側手根伸筋腱の橈側)。
内関(ないかん)【手の厥陰心包経】
- 心包経の絡穴(らくけつ)…心包経の慢性症状の反応点・診断点・治療点と用いられます。
- 効果…乗り物酔い、二日酔い、つわり、胃痛、頭痛、不眠、のぼせ動悸、不安感、精神を落ち着けて自律神経のバランスを整えるなど。
- ツボの場所(取穴)…手のひら側。手首のシワから指3本分のところ(橈側手根屈筋腱と長掌筋腱の間にあり、手首のシワから上2寸。筋枝は正中神経支配)。

百会(ひゃくえ)【督脈】
- 効果…寝不足でぼんやりした気分をスッキリ、高血圧、頭痛、のぼせ、疲労感、不眠、自律神経失調症、ストレス、めまい、鼻づまりなど。まだまだ沢山あります。
- ツボの場所(取穴)…両耳を前に折り畳み、その上角を結んだ線とみけんを通る体の中心線が交わる、頭のてっぺんあたり。
完骨(かんこつ)【足の少陽胆経】
- 効果…自律神経を整える、頭痛、不眠、咽頭部痛など。
- ツボの場所(取穴)…乳様突起の後下方の凹み(筋枝:副神経・頸神経叢の枝・脊髄神経後枝)(皮枝:小後頭神経)(筋:皮下に胸鎖乳突筋・頭板状筋)。※翳風(えいふう)【手の少陽三焦経】は、乳様突起の下端の前方の凹みですので、場所が似ています。同じ少陽経です。

耳のツボ【2つ】
耳にも沢山のツボがあります。1950年代、フランスの医師(ポル・ノジエ)が耳針法を確立しました。その後、1956年に中国に逆輸入され、中国で発展したといわれています。ですから、耳ツボの場所が若干違うこともあります。ここでは、中国に由来するツボをご紹介します。
神門(しんもん)※体の神門とはまったく関係ありません
- 効果…万能ツボです。自律神経を整えますので、ストレスを抑えて不眠に効果的です。食べ過ぎ防止(ダイエットで有名)、胃の痛み、アレルギーにも効果があります。①痛み止め②鎮静作用:止咳、止喘、止痒、 止瀉、止帯、止暈、降圧、安神。③抗炎作用
- ツボの場所(取穴)…耳の穴より上にある軟骨のところ。三角窩を3等分した一番後方部位の上半分
心(しん)
- 効果…精神のバランスを調整、血行促進
- ツボの場所(取穴)…耳の穴付近の平らなところ。少しツヤがあり、白く光っている

不眠改善のために(副交感神経を優位に)
- 夜寝る前の筋トレなどの運動をしないこと。交感神経が優位となり、寝付けなくなります。
- 熱いお風呂ではなく、気持ち良いくらいの温度でリラックスすると良いです。
- 夜寝る前は、スマホなどを見ないようにすると良いです。
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